アロマテラピーで森林浴を再現

身体的にも精神的にもリフレッシュでき、健康増進に効果がある森林浴。
その森林浴が40年以上も前から、林野庁が中心となり森林療法、森林医学として研究されていたことをご存知でしょうか?
2005年には林野庁所管の森林総合研究所の実験で、免疫力に関与すると言われているナチュラルキラー細胞や抗がんタンパク質が森林浴によって増加することが明らかになっています。
林野庁サイト参照

そして、長年にわたり森林浴の研究論文が発表されていく過程でKARAOKE(カラオケ)のように “Shinrin-yoku”(シンリンヨク) が世界中に広まったといいます。

にわかには信じがたい方もいるでしょうが、実際にInstagramで#shinrinyokuというハッシュタグが40万件近くもあり、そのほとんどが海外アカウントだったのには驚きました。

森林浴がさまざまな効果をもたらすのは、樹木が出すフィトンチッドという成分によるもので、これは揮発性の有機化合物の総称です。

フィトンチッドの主な成分としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、カリオフィレン、カンフェンなどがあり、抗菌、抗ウイルス、鎮静、鎮痛、抗炎症、抗酸化、抗アレルギー作用などがあります。

すでにお気づきかと思いますが、これらはアロマテラピーでもお馴染みの成分ですから、精油を使用することで森林浴を部分的に再現することができることになります。

一番のオススメは、樹木そのものの香りを楽しめるヒノキやヒバです。この他にサイプレスやユーカリラジアタ、ローズマリー・シネオール、ティートリーなどもいいでしょう。これら樹木系の香りと相性が良いレモンなどの柑橘系を加えることでよりリラックス効果が期待できます。また少量ペパーミントをブレンドすると、清涼感がアップしリフレッシュ効果を高めてくれるでしょう。

さきほど紹介した森林総合研究所の実験では、森林部と都市部での滞在で比較した結果、ストレスの緩和や免疫力が上がる変化が見られたわけですが、なぜ物質的に満たされた都市部ではそれがかなわないか。それは、自然環境と密接に関わり合いながら人類が進化してきたことが、遺伝子レベルで心身に深く刻み込まれているからではないでしょうか。

私たちは自然との繋がりなしに本来の自分を取り戻すことはできません。多忙な生活の中で森林浴に行く機会は限られているとは思いますが、忙しい人ほどアロマテラピーを活用してしていただきたいと思っています。

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